小・中学生軟式野球選手に対する
紙鉄砲を用いた投球ドリルの実践報告
笠原政志1)2)、山本利春1)2)
1)国際武道大学、2)国際武道大学大学院
背 景
子供の投球障害につながる要因として
“投動作の未習熟”が挙げられ、
子供から適切な投球指導が求められている
子どもの投球動作の特徴
・非投球側支持脚接地時に肘下がりになる(町田ら2002,中溝ら2004,山本ら2005)
・指把握り (...
背 景
一般に投球指導においてはパーソナル指導が多いが、実際の
現場においては大勢を一度に指導することが求められている。
また、少年野球においては週1・2回程度の投球練習しか実
践できないため、反復した投動作の指導が困難である。
集団指導での反...
紙鉄砲で段階的な
投球ドリルを実施することのメリット
1.“投球動作に伴う前腕の動き(回外→回内)”やボールリリー
スポイントと“紙鉄砲試技が類似している”ため、紙鉄砲試技の
良し悪しによって正しい投球動作が出来ているかを判断できる
2.“わか...
目 的
本研究は、投球動作獲得を目的とした“紙鉄砲
を用いた投球ドリル”の集団指導実践結果につ
いて報告する。
方 法
■対象
軟式野球選手562名
小学生390名(10.7±0.6歳、野球歴3.7±1.8年)
中学生172名(13.4±0.6歳、野球歴4.9±1.7年)
■投球ドリル(1セッション:約45分 対象:20~40名)
投球練習 *投球練習前...
肘・手でのダーツ 肩・肘・手での振りおろし 上半身でのスロー
左右体重移動でスロー 後⇒前体重移動スロー 前⇒後⇒前体重移動スロー
肩回しからのスロー 足上げスロー
紙鉄砲を用いた投球ドリル内容(8項目)
段階的な投球動作 (分習法)
1.手・肘 (ダーツスロー)
2.手・肘・肩 (ダーツスロー)
3.手・肘・肩・上部体幹 (上半身でのスロー)
4.手・肘・肩・上部体幹・股関節 (左右体重移動)
5.手・肘・肩・上部体幹・股関節・下半身(後→前体...
TB:テイクバック RP:リリースポイント
投球指導前後における
レイトコッキンング期の肘関節の位置の違い
カメラ:CASIO EX-1
フレーム:300fps
撮影距離:矢状面にて投球位置から8m
分析位置:投球指導前後の
レイトコッキング期の肘頭
対象:撮影可能な中学軟式野球選手50...
考 察
“肘が上がる”、“テイクバックがしやすくなる”
紙鉄砲を用いることで手指に余分な力が入らな
くなったため、上肢の円滑な動作が可能になった
のではないか
“投げる感覚”や“リリースポイント”がわかる
リリースポイントで音が鳴り、かつ加速し...
結 語
小・中学生の軟式野球選手を対象に、集団での紙鉄砲を用いた
投球指導を実践した。
結果として、小・中学生ともに90%以上が投げやすくなったと回
答し、特に小学生については、“テイクバックがしやすくなった”、
“肘が上がりやすくなった”とい...
Nagedoru 20141222
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Nagedoru 20141222

日本臨床スポーツ医学会学術集会発表資料
Published on: Mar 3, 2016
Published in: Sports      
Source: www.slideshare.net


Transcripts - Nagedoru 20141222

  • 1. 小・中学生軟式野球選手に対する 紙鉄砲を用いた投球ドリルの実践報告 笠原政志1)2)、山本利春1)2) 1)国際武道大学、2)国際武道大学大学院
  • 2. 背 景 子供の投球障害につながる要因として “投動作の未習熟”が挙げられ、 子供から適切な投球指導が求められている 子どもの投球動作の特徴 ・非投球側支持脚接地時に肘下がりになる(町田ら2002,中溝ら2004,山本ら2005) ・指把握り (水谷ら2008) ・ワインドアップ時の姿勢不良 (岩堀2002) ・上肢に頼った投球 (町田ら2002)
  • 3. 背 景 一般に投球指導においてはパーソナル指導が多いが、実際の 現場においては大勢を一度に指導することが求められている。 また、少年野球においては週1・2回程度の投球練習しか実 践できないため、反復した投動作の指導が困難である。 集団指導での反復した投動作練習が求められるが 現場での集団での投球指導は困難である
  • 4. 紙鉄砲で段階的な 投球ドリルを実施することのメリット 1.“投球動作に伴う前腕の動き(回外→回内)”やボールリリー スポイントと“紙鉄砲試技が類似している”ため、紙鉄砲試技の 良し悪しによって正しい投球動作が出来ているかを判断できる 2.“わかりやすい”・“楽しい”・“どこでもできる”という観点から 集団もしくはホームワークとして実践できる可能性が高い (第10回肩の運動機能研究会 笠原ら2013)
  • 5. 目 的 本研究は、投球動作獲得を目的とした“紙鉄砲 を用いた投球ドリル”の集団指導実践結果につ いて報告する。
  • 6. 方 法 ■対象 軟式野球選手562名 小学生390名(10.7±0.6歳、野球歴3.7±1.8年) 中学生172名(13.4±0.6歳、野球歴4.9±1.7年) ■投球ドリル(1セッション:約45分 対象:20~40名) 投球練習 *投球練習前にウォーミングアップ → 紙鉄砲を用いた投球ドリル25分 → 投球練習 → アンケート調査
  • 7. 肘・手でのダーツ 肩・肘・手での振りおろし 上半身でのスロー 左右体重移動でスロー 後⇒前体重移動スロー 前⇒後⇒前体重移動スロー 肩回しからのスロー 足上げスロー 紙鉄砲を用いた投球ドリル内容(8項目)
  • 8. 段階的な投球動作 (分習法) 1.手・肘 (ダーツスロー) 2.手・肘・肩 (ダーツスロー) 3.手・肘・肩・上部体幹 (上半身でのスロー) 4.手・肘・肩・上部体幹・股関節 (左右体重移動) 5.手・肘・肩・上部体幹・股関節・下半身(後→前体重移動) 6.手・肘・肩・上部体幹・股関節・下半身(前→後→前体重移動) 7.全身+上半身と下半身のタイミング (腕回しスロー) 8. 全身+ワインドアップの正しい姿勢から
  • 9. TB:テイクバック RP:リリースポイント
  • 10. 投球指導前後における レイトコッキンング期の肘関節の位置の違い カメラ:CASIO EX-1 フレーム:300fps 撮影距離:矢状面にて投球位置から8m 分析位置:投球指導前後の レイトコッキング期の肘頭 対象:撮影可能な中学軟式野球選手50名 ■肘頭の位置が挙上している 28名/50名(56%)
  • 11. 考 察 “肘が上がる”、“テイクバックがしやすくなる” 紙鉄砲を用いることで手指に余分な力が入らな くなったため、上肢の円滑な動作が可能になった のではないか “投げる感覚”や“リリースポイント”がわかる リリースポイントで音が鳴り、かつ加速した状 態だとより大きな音がなるため、実際の投動作と の感覚が近く、力を入れるタイミングなどをつか みやすいとのではないかと考えられる
  • 12. 結 語 小・中学生の軟式野球選手を対象に、集団での紙鉄砲を用いた 投球指導を実践した。 結果として、小・中学生ともに90%以上が投げやすくなったと回 答し、特に小学生については、“テイクバックがしやすくなった”、 “肘が上がりやすくなった”という項目のポイントが多くなった。 以上により、紙鉄砲を用いた投球指導は“短時間”、“集団指導”、 “広いスペースがなくても実践できる”という観点から、投動作が未 習熟な小・中学生に対する集団での投球指導に有用であると考え られた。

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